『じぶん力』を身に付ける

100年後の日本の人口は4400万人に。

これから日本の人口が、現在の3分の1近くに激減し、
明治初期の状態に逆戻りするかもしれないという、
にわかに信じ難い予測があることは前回述べた通りです。

別に4400万人の国家に難があるわけではありません。
後世の歴史家は、むしろこれだけの狭い国土に1億以上の
人々が住んでいたことの方が、人口過密の異常な時代だったと
評するかもしれないくらいです。

問題は、現在の1億2700万人から僅か100年の間で3分の1に
激減してしまうために、その過程で起こりうる様々な社会、
制度の矛盾が一気に露呈することにあります。
年金、医療、福祉、税制、教育、雇用、企業経営、・・・、
高度経済成長期に設計された制度のあらゆる分野において、
システムの修正が迫られるようになるでしょう。

とりわけ社会保障制度の行く末を考えると、これから
生まれてくる子供たち、孫の世代は、これまで以上により
大きな経済的負担を背負わされることは間違いありません。

なんといっても、日本の年金制度の骨格が出来上がったのが、
高度経済成長期の1960年代のことです。制度設計された当時
と比べて、前提としていた将来予測の数々が、現在と当時では
まったく異なる状況に直面しています。

1960年当時の日本人の平均寿命は、男性が65歳で女性が70歳。
それが今日、50年の歳月を経て、男性が79歳、女性が85歳と、
“寿命が15年も延びて”世界一の長寿国家になったのです。

また、1970年から第2次ベビーブームが始まるように、
その後も若い豊富な労働力が供給され続けたおかげで、
人口ピラミッドは裾野が広がるきれいな三角形でした。
それが、2050年になる頃には、逆三角形になることが
確実視されています。現在、3人で1人の高齢者を
支える構図が、2050年以降には1人で1人を支える
ような時代がやってくるのです。

制度設計の前提が、根本から変わってしまったのですから、
日本の年金制度は、ある意味で破綻しているに等しいのです。

日本の財政の状況も併せて考えると、財政による補填も
期待が持てませんので、対応は2つしかありません。
一つは、年金の受給金額を引き下げること。もう一つは、
受給年齢を引き上げるかのどちらか。あるいは、その両方を
同時に実施する以外にないのです。

同じく国家財政難にあえぐギリシャで、年金支給額を
30%削減したことは記憶に新しいことですが、日本も
同じか、あるいはそれ以上にドラスティックな状況に
遠からず見舞われることを覚悟しておいた方が
いいように思います。

要は、これまであたり前のようにもらえた年金が、これからは
普通にもらえなくなる時代が確実にやってくるということです。
年金だけに限らず、「自分のことは自分で何とかする」時代が、
目前に迫っているということを自覚する必要があるのでは
ないでしょうか。

私は、数年前から『じぶん年金』作りを提唱し、特に、若者が
集まるような場所では、このような人口減少のお話しとセットに、
具体的な年金作りの方法論を伝授させていただいてきました。
2007年のサブプライムローンに端を発する世界金融危機を経ても、
その実践法を試していただいた方々のほとんどが、「暴落が怖く
なくなったので安心して続けられる」と好評をいただいております。

今回、プラスサム総合研究所の山根さんにご縁をいただきまして、
「成長の仕組み」である国際分散投資と、「安心の仕組み」である
積立手法の組合せで行う『じぶん年金』作りをご紹介させて
いただきますので、是非ご参加いただければと思います。

それでは、皆様と会場でお目にかかれますことを楽しみにしております。

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SBI証券  特別顧問

信州大学  経営大学院  客員教授
上地  明徳(かみじあきのり)
人間の心理と経済変動の相互関係を人工市場で再現する研究の一方で、 人間の感情バイアスを排除する資産運用としての「積立投資」を啓蒙している。

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