【年金誤解】未納が多くて破綻する?

お金に関する雑学

こんにちはー!

いつもお読みいただきありがとうございます。

今回は知らないと損する年金の知識について記事にしたいと思います。

未納が多いと年金は破綻するのか?

テレビで「年金の未納率は50%。財源は納めた保険料なのだから、これでは破綻する。」といった論理が繰り広げられているのを目にします。

安心してください。それ誤解です。

以下、理由を解説していきます。

【超基礎】年金の仕組み

加入者は誰か

未納というのは、納める必要があるのに納めていないということです。

ところで、年金保険料を納めなければいけない人って誰なのでしょうか?

日本の公的年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社などに勤務している人が加入する「厚生年金」の2階建てになっています。

出典:厚生労働省「いっしょに検証!公的年金」

平成30年度年金加入者の図

出典:日本年金機構「知っておきたい年金の話」

日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が対象であり、約6,700万人もいるのですね。

誰が未納になるのか

先ほどの図のうち、第2号保険者は給料から年金保険料を天引きされるから未納の心配はありません。

第3号保険者が納める年金保険料は、第2号保険者の払う年金保険料に含まれているので、こちらも未納の心配はありません。

そう、未納の可能性があるのは第1号保険者だけなのです。

本当は未納率約2%!?

では一体どのぐらいの人が未納となり、割合で示すとどれぐらいになるのでしょうか。

下図を参照すると、第1号保険者のうち未納者が138万人です。また、未加入者が9万人なので、公的年金加入者に対する未納率は実はたったの2%程度なのです。

平成30年度年金納付状況の図

出典:日本年金機構「知っておきたい年金の話」

冒頭紹介した未納が半分というのはおそらくこういうことだと思います。

下図を参照してください。

令和元年度公的年金加入者推移のグラフ

出典:厚生労働省「令和元年度の国民年金の加入・保険料納付状況について」

令和元年度における第一号保険者のうち、納付者が746万人、全額免除・猶予者は583万人、未納者125万人となっています。

第一号保険者のうち、納付者の割合はおよそ50%ということになりますよね。

残りの50%は納付をしていない、だから未納率が50%なのだという主張なのだと思います。

しかし、これは第一号保険者のなかでの話なので全体を考えると誤った主張になります。

また、未納と免除は違います。

未納の人は将来年金を受け取れませんが、免除の人は受け取れます。

財源は何か

国民年金または厚生年金の基礎年金のの財源は3つあります。

公的年金の財源
  1. 保険料
  2. 税金
  3. 積立金

半分は、税金で、残りの半分は保険料と積立金で賄われています。

積立金とは、今まで支払われた保険料のうち、使わなかった分のことです。

積立金は運用され、運用益と元本を将来の給付に充てます。

未納が増えても年金が破綻しない理由

先ほど確認したように保険料の未納は公的年金加入者の2%程です。

そして、厚生労働省による令和元年の財政検証の資料を見ると、国民年金における収入は保険料が1.3、運用収入が0.2、税金が1.9、合計3.4兆円の収入です。

令和元年財政検証国民年金財源見通しの表

出典:厚生労働省「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し(詳細結果)ー2019(令和元)年財政検証結果(財政見通し等) ー」

百分率になおすと、保険料が38%、運用収入が6%、税金が56%ということになりますね。(小数点第一位四捨五入)

一方、同資料から厚生年金における収入の内訳は読み取れますが、それぞれ基礎年金にいくら使われているかが読み取れません。ここでは、国民年金と同じ比率で使われるものとして仮定します。

これで必要な数字は揃いました。

国民年金と基礎年金(いわゆる一階部分)における財源のうち保険料は38%。このうち、2%が未納だとすると、0.38×0.02=0.0076、つまり0.76%の影響があることになります。(未納が解消された状態における未納が発生した場合を計算したほうが正確です。しかし、未納が解消された状態の保険料収入がわからないため、現状の保険料で計算しています。ただし、未納が解消されるということは保険料収入の割合が増えるので、影響はさらに小さくなります。)

HP100のキャラクターに1のダメージを与えても致命傷にはならないですよね。

年金にも同じことが言えて、未納の人がこれだけいても破綻はしないのです。

さらに言えば、長期的にみて未納の人は将来年金がもらえないので年金財政に与える影響が小さいのです。

それでも未納は放っておけない

未納が年金財政に与える影響が少ないからといって未納は放置できません。

未納の人は将来年金を受け取ることができません。

下記の図によると、老後の収入の6割は年金です。

老後の収入の内訳図

出典:厚生労働省「いっしょに検証!公的年金」

ただし、上図における年金は国民年金以外の厚生年金等も含む金額となっています。

国民年金だけだと、収入における年金のウェイトは落ちるでしょうが、それでも多くの人にとって老後の収入を支える大きな柱といっても間違いないと思います。

だとすると年金を受け取れない未納の人の老後は明るくありません。

年金以外の収入が豊富ならよいですが、そうでない場合は生活保護を受給することになります。

年金のうち半分は保険料や積立金で賄っていますから、全額税金の生活保護に比べると国の財政に与える影響は小さいです。

そうした意味で未納を放置しておくわけにはいかないのです。

まとめ

【年金誤解】未納が多くて破綻する?のまとめ
  • 年金加入者は約6,700万人
  • 未納率は約2%
  • 未納が年金財政に与える影響は1%未満でとても小さい
  • だから未納が多くても公的年金は破綻しない
  • それでも将来生活保護になっては国の財政上よくないから未納を放置できない

以上、知らないと損する年金の話でした。

あなたの年金に対する不安が少しでも解消されれば幸いです。

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