【年金誤解】払い損か?払い得か?

思案する女性 お金に関する雑学

こんにちはー!

いつもお読みいただきありがとうございます。

今回も年金シリーズです!

多くの人の疑問であろう年金は払い損になるのか、それとも払ったほうが得なのか問題について記事にしました。

それではよろしくお願いします。

公的年金は損得で語れない

実は、公的年金はそもそも損得で語れないのです。

以下その説明です。

親への仕送り、子からの仕送りを損得で考えるか

次のような前提をおいて質問をします。

前提
  • あなたは仕事を求めて地方から都心に出てきたサラリーマンです。
  • 仕事にも慣れ、都市部にそのまま家庭を持ちました。(配偶者も地方から出てきたとします。)
  • 子宝にも恵まれ、今では子どもも巣立っていきました。
  • 互いの両親も大分年を取りました。
  • あなたは年を取った親を心配しはじめます。
  • ただし、都市部に生活基盤を持ったこと、配偶者の親も地方にいることから自分の親の近くに引っ越し、面倒を見ることができません。
  • かといって両親も都市部は人が多いし住み慣れた場所で余生を過ごしたいと考えています。
  • あなたは配偶者の同意を得て両親に仕送りをすることとしました。
  • やがて両親は他界し、今度は自分が子どもに仕送りをもらう立場になりました。
  • ただし、経済成長が鈍化し、子どもの生活も苦しいため、自分が両親に仕送りした金額より子どもからもらう仕送りの金額のほうが少ないです。

ようやく質問です。

あなたは自分が親に対して仕送りした金額より、子どもに仕送りしてもらう金額が少ないといって親への仕送りは払い損だったと思いますか?

仕送り額が少なく老後の生活が苦しいと思う人や、経済成長が鈍化した世の中に不満を持つ

人はいると思います。

しかし、多くの人は親への仕送りが損だったとは思わないと思います。

それは親への仕送りや子からの仕送りは困ったときのお互い様だからです。

公的年金は私的扶養の代替に過ぎない

公的年金はこうした、子から親への仕送りといった私的扶養の代替に過ぎないのです。

下図をご覧ください。

私的扶養から公的扶養への移行

出典:平成26年財政検証結果レポート —「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し」(詳細版)—

扶養される親の健康状態や寿命、扶養する側の兄弟姉妹の数の差、扶養する側の思わぬ他界等、私的扶養には負担のばらつきがあります。

また、地方から都市部へ出てきた人の定住にともない、同居による親への日常生活のサポートが難しくなりました。

時代とともに私的扶養が困難になってきたのです。

こうした社会背景を受けて、次第に私的扶養の部分が社会的扶養に置き換えられたのです。

この表最大のポイントは、ある時点における扶養負担の絶対値は私的扶養が増えようが社会的扶養が増えようが変わらないところにあります。

仮に公的年金制度がなかったら、その分私的扶養が増えるということですね。

つまり、公的年金は私的扶養の代替に過ぎないのです。

先ほどの質問を通して私的扶養は損得で語れませんでしたよね?

ということは、私的扶養の代替である公的年金も損得で語れないのです。

それでも公的年金は払い損か払い得か気になる人に

公的年金は損得で語れないとはいうものの、やはり支払った保険料に対してどれだけ年金をもらえるか気になるのが人情というものだと思います。

そこで、ここでは公的年金が払い損になるかそれとも払い得になるのかを解説したいと思います。

国民年金は払い得になる可能性が高い

下表は平成26年財政検証結果レポートによる各世代の給付負担倍率です。払った保険料に対して、いくら年金がもらえるかの倍率を世代ごとに表したものですね。

平成26年財政検証結果レポート給付負担倍率

出典:平成26年財政検証結果レポート —「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し」(詳細版)—

ケースEとは経済の状況を幅広く想定し8つのケースを設定したときの、上から5番目の経済状況のケースです。財政検証結果のうちよく使われるケースです。

なお、男女とも、保険料を支払い終わった時点(60 歳時点)における平均余命まで生存すると仮定しています。

また、平均余命については、過去の完全生命表及び日本の将来推計人口(平成 24 年1月推計)における将来生命表の 60 歳時平均余命を用いています。

国民年金の最低給付負担倍率は1.5倍です。

払った保険料に対して1.5倍の年金が受け取れるのですから、払い損どころか払い得ですね。

厚生年金もおおむね払い損にはならない

先ほどの表をご覧いただくと、厚生年金の一番低い給付負担倍率は2.3倍です。

支払った保険料に対して2.3倍の年金を受け取れるのだから払い得ですね。

事業主が負担した保険料が反映されているのか

鋭い読者なら厚生年金の保険料が事業主と折半されていることをご存じだと思います。

もしこの表に事業主が支払った保険料が反映されていないのであれば、払い損になるのではないかと思うことでしょう。

安心してください。それでも払い損にはならないのです。

確かに、先ほどの表には事業主が支払った分の保険料は反映されていません。

仮に事業主の支払った保険料を反映させると本来の負担は表の金額の倍となり、給付負担倍率は半分になります。

ということは一番低い給付負担倍率は実質1.15倍となるのです。

事業主が支払った保険料を反映させても払い損にはならないのです。

独身高所得の人は注意が必要

厚生年金を受給中の夫が他界した場合、妻に遺族厚生年金が支払われます。

先ほどの表はこの遺族厚生年金が支払われた場合の給付負担倍率なのです。

ということは独身の方が受け取る年金はもっと低くなるのです。

また、厚生年金には所得の再分配機能が組み込まれており、下図のとおり現役時の収入の開きに比べて年金の受給額の開きは小さくなります。

厚生年金の所得再分配

出典:厚生労働省「いっしょに検証!公的年金」

先ほどの表は厚生労働省が定めたモデル世帯においての給付負担倍率です。

モデル世帯より高所得であれば給付負担倍率は下がりますし、モデル世帯より低所得であれば給付負担倍率はあがります。

なお、モデル世帯の所得は男性の平均的な賃金を用いています。

独身または高所得の人は表より低い給付負担倍率になるので注意が必要です。

忘れてはいけない保険機能

年金は3種類あります。

3種類の年金
  • 老齢年金
  • 障害年金
  • 遺族年金

先ほどの表はあくまで年を取ってから受給する、老齢年金についての話です。

年金には障害や死亡に対する保険機能が付加されています。

ということは仮に経済状況が悪化し給付負担倍率が1倍を下回ることになっても即座に払い損であるとはいえないのです。

まとめ

まとめ
  • そもそも公的年金は損得では語れない
  • 老齢年金の給付負担倍率は1倍を超えるので払い損にはならない
  • もし給付負担倍率が1倍を下回っても障害、死亡に対する保険機能があるのでそれをもって払い損とはいえない

以上、あなたの年金に対する疑問が少しでも解消されたら幸いです。

タイトルとURLをコピーしました