米国高配当ETFというとVYM、HDV、SPYDが御三家ですよね。
中でもVYMは一番の古株であり安定感があることから人気です。
しかし、わが家ではHDV、SPYDは買っても、あえてVYMは買いません。
今回は、その理由を解説します。
VYMを買わない3つの理由
結論から言います。VYMはわが家にとって中途半端なのです。
- 特徴が中途半端
- 配当利回りが中途半端
- トータルリターンが中途半端
詳しく説明しますね。
特徴が中途半端
VYMとはバンガードという資産運用会社が運用している米国高配当ETFです。
ETFとは何かについてはこちらの記事をどうぞ。
VYMはETFですので採用している指数があります。
指数を理解することはそのETFを理解することにつながるので、まずは指数を確認します。
VYM はFTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスに連動することを目指しています。
- 主に米国の大型株(REITは除外)
- 高配当
- 約400銘柄
何かに似てますね。そうSPYDのコンセプトに似ているのです。
SPYDの詳細についてはこちらの記事をどうぞ。
- 米国の大型優良銘柄を500個集めた指数が母体(REIT含む)
- 配当利回り上位80銘柄で構成
どちらも米国の大型銘柄のうち、配当が高いものを選んでいる点は同じなのです。
実際、SPYDのうち約78.26%の銘柄がVYMに含まれています。
さらに言えば、HDVの約86.07%の銘柄がVYMに含まれています。
因みに、わが家が採用しているHDVとSPYDはというと、SPYDのうち約24.63%の銘柄しかHDVに含まれていません。
どちらもキャラが立っているということですね。
なお、参考までに下記の表のとおり御三家における銘柄の共通性についてまとめました。(2020年5月25日時点)
SPYD | HDV | VYM | |
全てに共通 | 16 | 16 | 16 |
SPYDとHDVのみ | 1 | 1 | なし |
SPYDとVYMのみ | 38 | なし | 38 |
HDVとVYMのみ | なし | 52 | 52 |
SPYDのみ | 14 | なし | なし |
HDVのみ | なし | 10 | なし |
VYMのみ | なし | なし | 287 |
合計 | 69 | 79 | 393 |
各社HPから作成
バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社
ブラックロック・ジャパン株式会社
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社
※SPYDについてはセクター比率に影響のない次の二つを除いています。
STATE STREET INSTITUTIONAL LIQ STATE STR
U.S. Dollar
下表を見るとわかりますが、VYMが御三家の中で一番古株なのでしょうがないのですが、おそらくHDVやSPYDはVYMを意識して作られているでしょうから、特徴がはっきりしているのです。
VYM | HDV | SPYD | |
設定日 | 2006年11月10日 | 2011年3月29日 | 2015年10月21日 |
各社HPから作成
バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社
ブラックロック・ジャパン株式会社
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社
そう、VYMは良く言えばクセがなくバランスのいい高配当ETFなのですが、悪く言うと、個性のない特徴が中途半端なETFなのです。
配当利回りが中途半端
設定来の平均配当利回りを比較してみましょう。(2019年12月末日時点)
当年の配当金額を前年末の株価で割って算出しています。
VYM | HDV | SPYD | |
平均利回り( %) | 3.1 | 3.66 | 4.9 |
yahoo!financeのデータを元に作成
VYMが一番低いですよね。
わが家の投資方針はじぶん年金を作ることなのです。
その中で高配当ETFを採用しました。
投資の軸が高配当なので、バンガードさんには申し訳ないけど、不採用となりました。
トータルリターンが中途半端
配当では他の御三家に負けているけどトータルリターンならVYMが一番だという意見もあるかと思います。
実際、それは正しいと思います。下記は御三家のトータルリターンの比較グラフです。
期間は設定日が一番新しいSPYDに合わせています。
出典:ETFreplay.comから引用
グラフのとおり御三家の配当を再投資した場合のトータルリターンはVYMが一番です。
しかし、このグラフにS&P500に連動するSPYというETFを加えると
出典:ETFreplay.comから引用
SPYが圧倒的に一番になるのです。
確かに高配当ETF御三家の中ではトータルリターンは一番だけど、トータルリターン狙いだったらSPYでいいじゃんってなりますよね。
この御三家の中ではトータルリターンは高いけど、トータルリターン狙いのETFのトータルリターンには叶わない点が中途半端だと感じました。
なお、SPYDの解説記事でも触れましたが、次のグラフのとおりSPYDの指数は過去10年間においてS&P500に近いトータルリターンを発揮しています。
出典:S&PダウジョーンズインデックスLLCから引用
まとめ
わが家にとってVYMは3つの点が中途半端なので購入していません。
- 特徴が中途半端
- 配当利回りが中途半端
- トータルリターンが中途半端
かといって、他のお方がVYMを買うことを否定しません。
わが家のように複数のETFを買い付けるのは面倒だと感じる人もいるかと思います。
その点、VYMはそれ単体でも、銘柄数も多く分散のきいたバランスの良いETFですし、経費も安いですし。
あくまでわが家にとって中途半端ということです。
本記事がお役に立てれば幸いです。