ウォルマート(WMT)|アーカンソーの小さな町から広がったアメリカの買い物

WMT ウォルマート(薄い米国旗の背景) 米国の会社

ウォルマート(Walmart Inc.、ティッカー WMT)は、アメリカ南部のアーカンソー州で生まれた小売企業です。創業者サム・ウォルトンが商売の拠点にしたベントンビルは、州北西部の街で、現在も本社があります。1962年には、近隣のロジャーズで最初のウォルマートを開きました。

食料品と日用品を一度に買えるスーパーセンター。会員制の倉庫型店舗。ウォルマートは、毎日の買い物をまとめて済ませられる店を広げてきました。

この記事は特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。将来の値動きや配当、運用成果は誰にも分かりません。

アメリカ本土48州の地図。南部のアーカンソー州を緑で示し、州北西部のベントンビル(ウォルマート本社の街)に印を付けている。アラスカ州とハワイ州は省略。
アメリカ本土48州。緑がアーカンソー州、印はベントンビルの代表地点(本社敷地の正確な位置ではありません)。州境:U.S. Census Bureau・2024をもとに作図。都市位置:GeoNames(CC BY 4.0)。

ひとことで言うと

店とネットを通じ、毎週およそ2.8億人の顧客・会員が利用する小売企業です。配当を長く増やしてきましたが、参照日の利回りはサザン・カンパニー(SO)より低めです。配当収入を重視するか、事業の成長と株価の上昇を期待するかで、気になるところが変わります。

うさぎ姉さん

うさぎ姉さん
「私は配当より、これから株価がどれくらい伸びるかが気になるわ」
マッチョ兄さん

マッチョ兄さん
「僕には今の配当はちょっと寂しいな」

ベントンビルと、アメリカの買い物の形

公式の人物紹介によれば、サム・ウォルトンは1950年にベントンビルへ移り、広場に Walton’s 5&10 を開きました。そこから一歩進めて、1962年7月2日、ロジャーズに最初のウォルマート店を開業。安さを軸にしたディスカウント店の試みでした。1969年に Wal-Mart Stores, Inc. として法人化され、1970年に株式公開、1971年にはベントンビルに物流センターと本社機能が開きます。

1983年、オクラホマ州ミッドウェストシティに、ウォルマートが運営する会員制の倉庫型店舗「Sam’s Club(サムズ・クラブ)」の1号店が開きました。1988年にはミズーリ州ワシントンに最初のスーパーセンターが登場。食料品と一般商品を一つの建物で買える店です。のちに食料品を中心に扱うNeighborhood Marketも加わりました。

2026年2月の会社発表では、19か国で1万900店超とネット販売を展開し、世界で約210万人が働いています。会計年度2026の売上は約7,130億ドル。アーカンソー州から始まった店が、世界規模の買い物を支える企業になりました。

亀さん

亀さん
「いつもの買い物をまとめて済ませられる店なら、長く通う人が多そうだね」
うさぎ姉さん

うさぎ姉さん
「食料品から日用品まで同じ店で買えるのは便利ね」

最近の動きと、見るときの軸

配当と株式分割の記録

  • 株式分割(2024年1月30日発表): 普通株を3株対1株に分割。記録日2024年2月22日、分配は2月23日終値後、分割後取引は2024年2月26日から。過去の1株配当や株価を見るときは、分割前後の基準を揃える必要があります。
  • 増配の記録:2026年2月19日の発表では、年間配当は前年度の0.94ドルから約5%増えました。会社によれば53年連続の増配です。会計年度はおおむね2月から翌年1月までで、暦年の1〜12月とは異なります。
  • 直近の支払スケジュール例(同発表): 記録日2026-03-20/支払2026-04-06、記録2026-05-08/支払2026-05-26、記録2026-08-21/支払2026-09-08、記録2026-12-11/支払2027-01-04。

これから変わりうること

  • 店とネット販売の組み合わせによる、買い物の変化
  • 価格競争や仕入れ・人件費の上昇による、利益への影響
  • 増配が続いても、株価の値下がりで資産全体が減る可能性
亀さん

亀さん
「増配の年数も気になるけど、これからも増やせるだけの利益が出ているかを見たいな」

配当と、利回りの目安

年間の宣言額と、暦年に実際に受け取る合計額は区別が必要です。会計年度2027分の最後の支払いは2027年1月に予定されています。

月に1株なら、配当はどのくらい?

  • サザン・カンパニー(SO)との参照日の比較: 別記事の参照(SO終値 $93.34、年率イメージ $3.04)では、直近配当を年額換算した税引前利回りは約3.3%。同じ参照の取り方では、WMT(約0.78%)のほうがかなり低めです。優劣の順位づけではありません。
  • 月に1株のコスト(ドル): 参照終値ならおおよそ $127.72/株。購入時の株価と為替に加え、証券会社の手数料なども確認が必要です。
  • すでに12株ある状態の年額イメージ: 12×$0.99=$11.88(四半期なら 12×$0.2475=$2.97)。これは12株を持ち続けた場合の年額で、毎月1株ずつ買い始めた年の受取総額ではありません。

上記の利回りや年額は税引前のイメージです。米国での源泉徴収や、日本の課税、口座の種類によって手取りは変わります。将来円で見た受取額は、為替によって増えることも減ることもあります。

マッチョ兄さん

マッチョ兄さん
「12株で年11.88ドルか。配当を受け取る楽しみとしては、もう少し欲しいな」
うさぎ姉さん

うさぎ姉さん
「私は、配当が少なくても株価が伸びるならうれしいわ」
亀さん

亀さん
「利益と一緒に、配当も少しずつ育っていく会社だとうれしいね」

見るときの材料

気になりやすい点

  • アメリカの日常の買い物に近い事業の輪郭
  • 長く続く増配の会社側の記録
  • 店・クラブ・ECなど、触れる接点が多いこと

慎重にしたい点

  • 小売の競争、コスト、在庫、物流、労働
  • 利回りが低めだと、配当より価格変動の影響が大きく見えやすいこと
  • 過去の増配が将来を約束しないこと
  • 円換算・米国源泉税・売買手数料・分割前後の数字の取り違え
うさぎ姉さん

うさぎ姉さん
「でも大きな会社だからって、株価がすぐ上がるとは限らないのよね」
マッチョ兄さん

マッチョ兄さん
「配当が増えていったら、受け取るたびに楽しみが増えそうだな」
亀さん

亀さん
「僕は、先々も増配を続けられそうな事業かどうかが気になるな」

もしも

これは、過去の事実やデータをもとに「もしも」を楽しむ、空想の読み物です。過去と同じ未来が待っているわけではありません。将来の値動きや配当、運用成果を約束するものではありません。

配当は再投資せず、税金・手数料を除いた試算です。評価日は米国市場2026年11月5日です。

株の評価額に、受取済みの配当は含めていません。配当の累計と、これからの年間配当の目安は別々に示します。

20年前から、毎月1株ずつ買っていたら

2006年11月から2026年10月まで、毎月5日(休場日はいちばん近い取引日)に、当時の株を1株ずつ、240回購入。2024年の分割を経て、評価日の保有は656株です(分割前の208株が624株になり、分割後に買った32株を足しています)。同じ株価を12倍した計算ではありません。

見方 金額
投じたお金 21,056.03ドル(当時の為替で約247万円)
いまの評価額(2026年11月5日) 83,784.32ドル(約1,328万円)
これまでに受け取った配当 5,194.75ドル(受け取り日ごとの為替で約65.5万円)
いまの年間配当の目安 649.44ドル(約102,907円/656株×1株あたり0.99ドル)
月あたりに直すと(年額÷12) 54.12ドル(約8,576円)

10年前に、100万円で買っていたら

2016年11月4日の終値69.16ドル、1ドル約102.98円で100万円を投資。端数株も買える仮定で約140.40株、分割後は約421.21株です。

見方 金額
投じたお金 100万円(当時の為替で約9,710.26ドル)
いまの評価額(2026年11月5日) 53,796.74ドル(約852万円)
これまでに受け取った配当 3,251.39ドル(受け取り日ごとの為替で約41.9万円)
いまの年間配当の目安 417.00ドル(約66,076円/約421.21株×1株あたり0.99ドル)
月あたりに直すと(年額÷12) 34.75ドル(約5,506円)

年間配当の目安は、保有株数×現在の年額0.99ドルという税引前の計算で、過去の実受取額ではありません。「月あたりに直すと」は、その年額を12で割った参考値です。実際の配当は年4回で、毎月支払われる金額ではありません。円は2026年11月5日の欧州中央銀行の参考レート(1ドル=約158.46円)で換算した税引前の目安です。将来の配当や為替によって変わります。2027年1月4日支払予定分は受取累計に含めていません。毎月の試算では、2026年9月と10月に買った2株も、次の支払いがこの予定分になるため、評価日までの受取累計には入っていません(評価額と年間配当の目安には含めています)。

計算の前提と出典

確認日は2026年11月7日(日本時間)です。評価に使った株価は、米国市場2026年11月5日の終値127.72ドルです。翌営業日(11月6日)の終値125.52ドルは、既存記事の参照日に合わせるため使っていません。

買う株は「分割調整後の1株」ではなく、その日に取引されていた1株です。分割前の終値は、Yahoo Financeの分割調整済み終値に3を掛けて、当時の取引価格に戻しています。2024年2月23日は58.52×3=175.56ドルとなり、会社が示す分割時点の株価と一致しました。2026年11月5日の127.72ドルは、Yahoo FinanceとNasdaqの履歴、既存記事の参照値と一致しています。

配当は、Nasdaqの配当履歴にある当時の1株あたり支払額を使い、権利が付く日より前に買っている株数を掛けています。Yahoo Financeの配当額は分割調整(と四捨五入)が入っているため、受取額の計算には使いませんでした。会社の増配発表(2006年、2008年、2012年、2015年、2017年、2022年、2023年、2024年、2025年、2026年など)の四半期額と、Nasdaqの金額は一致しています。2024年2月以降の配当は、分割後の1株あたりの額(2024年は0.2075ドル、2025年は0.235ドル、2026年は0.2475ドル)です。

円換算の計算式は、「1ドルあたりの円 = 欧州中央銀行の対ユーロ円レート ÷ 対ユーロドルレート」です。2016年11月4日は114.24÷1.1093≈102.98円、2026年11月5日は177.85÷1.1224≈158.46円です。配当の支払日が欧州の祝日(おもに復活祭の月曜日)でレートがない年は、直前の公表日を使っています。同じ2016年11月4日のYahoo Financeのドル円は約103.05円で、こちらは検算用です。

毎月の240回の明細は長くなるため、年ごとの合計を示します。分割前に買った1株は、いまの3株として数えています。2024年は2月までが分割前、3月からが分割後です。2006年は11〜12月の2回、2026年は1〜10月の10回です。

年 購入 投じたお金 当時の円換算 いまの株数
2006 11〜12月の2回 93.97ドル 10,950円 6株
2007 12回 566.30ドル 66,653円 36株
2008 12回 663.92ドル 69,056円 36株
2009 12回 612.98ドル 57,775円 36株
2010 12回 637.86ドル 56,231円 36株
2011 12回 648.49ドル 51,920円 36株
2012 12回 804.40ドル 63,865円 36株
2013 12回 900.33ドル 87,567円 36株
2014 12回 924.90ドル 98,104円 36株
2015 12回 882.75ドル 106,851円 36株
2016 12回 834.27ドル 90,267円 36株
2017 12回 935.44ドル 105,105円 36株
2018 12回 1,113.05ドル 123,282円 36株
2019 12回 1,282.01ドル 139,433円 36株
2020 12回 1,548.45ドル 165,264円 36株
2021 12回 1,701.64ドル 186,502円 36株
2022 12回 1,663.86ドル 216,841円 36株
2023 12回 1,832.25ドル 258,148円 36株
2024 分割前2回・分割後10回 1,046.73ドル 156,441円 16株
2025 12回 1,187.81ドル 177,311円 12株
2026 1〜10月の10回 1,174.62ドル 185,932円 10株

公開されている株価・配当・為替のデータから、「もしあのとき買っていたら」をたどってみます。税金や手数料は入れていません。もらった配当で、もう一度株を買うこともしていません。

毎月の買い物は、その月の5日の終値で、そのときに取引されていた1株を1株買ったと仮定しています。5日に市場が休みの月は、いちばん近い取引日を使いました(距離が同じときは、先の日)。買ったのは2006年11月から2026年10月までの240回です。2026年11月5日は買う日ではなく、いまの値段を見る日です。当初は毎年1株で試算していましたが、毎月1株に訂正しています。年1回の結果を12倍した数字ではありません。

ウォルマートの株は、2024年2月26日から1株が3株になりました。分割より前に買った1株は、いまの3株です。分割のあとに買った1株は、いまも1株です。2024年の1株あたりの値段が前の年より小さく見えるのは、この分割のせいです。

円の金額は、欧州中央銀行が公表している参考レートから「1ドルあたり何円か」を計算したものです。買った日と、配当を受け取った日は、それぞれの日のレートを使っています。いまの評価額を円で見るときだけ、2026年11月5日のレート(1ドル=約158.46円)を使っています。銀行の両替レートとは違います。購入日が欧州の祝日でレートがない月が4回あり、配当の支払日と同様に直前の公表日を使っています。

買う日と配当の権利が付く日が同じだった月が4回(2012年12月、2015年8月、2019年12月、2022年5月)あり、その月に買った1株はその回の配当を受け取っていません。

2016年11月5日は土曜日だったので、いちばん近い取引日の11月4日の終値69.16ドルで買ったと仮定します。同じ日の為替は1ドル=約102.98円です。100万円ちょうどで買うと、当時の株は約140.40株になります。ここでは、1株未満も買えたことにしています。その株は分割のあとで、いま約421.21株です。

「いまの年間配当の目安」は、会社が会計年度2027向けに発表している1株0.99ドルが、この先も続くと見た場合の税引前のイメージです。これまで実際に受け取った配当の合計とは、別の数字です。2027年1月4日支払予定の配当は、この参照日時点ではまだ受け取っていないので、受取合計には入れていません。

1株未満が買えない口座なら、当時は140株まで買い、手元に約2,869円が残ります。その場合、いまの株数は420株、評価額は53,642.40ドル、これまでに受け取った配当は3,242.05ドル、いまの年間配当の目安は415.80ドルです。投じたお金は約997,131円になります。

参照データ・会社発表

配当支払日の資料差:2012年12月権利分はNasdaqが2012年12月27日、会社発表が2013年1月2日と異なります。この試算の円換算はNasdaqの日付を使用しており、会社発表の日付を使う場合とは数円の差が出ます。ドル累計は変わりません。

更新履歴

日付(日本時間) 内容
2026-11-07 初稿公開(会社の歴史・配当・利回り)。
2026-11-07 地域説明と地図、株価・配当の早見欄、会話を整理。過去の投資シミュレーションを追加。
2026-11-07 「20年前から毎月1株」の試算に訂正(年1株から変更)。100万円の一括は変更なし。

確認日: 2026年11月7日(日本時間)。主な参照: Walmart History/Sam Walton/2024-01-30 3-for-1 split/2026-02-19 配当 $0.99/株価: Yahoo Finance WMT history(2026-11-05終値)/地域:アーカンソー州公式観光・Bentonville/米国国勢調査局・地域区分

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